上杉アイクの机上で空論

独特の感性で森羅万象を考えます

ANN商法もあるよ

 古い曲を探してよく「ブックオフ」とか「万代書店」とか行ったんですが、その中でも一際目立つのは「AKB関連」です。CDショップとかにある棚って大抵幅1mくらいのユニットになっているのですが、2mくらいの高さのユニット1面に「AKB関連」の見出しのCDになっているのです。
 去年の6/7のブログ(さしこみさしこみ~)でもうpしましたが、AKBのシステムってそれ自体はとても面白いと思います。ただ、それを「健全な」ものにするには変えないといけない事がたくさんあります。最近また曲を聞きだしていまして、売上ランキングもチェックするようになったのですが、2015年のCDランキング(オリコン)の上位6位が全てAKB関連曲・・・でも2015年の音楽DLランキング(レコチョク)を見ても100位以内にAKBが入っていないのです。配信していないって訳でもないみたいですし・・・これって違和感がすごいです。
 本当ならAKB関連の初回限定盤買って握手券手に入れて、名古屋のささしまライブあたりで握手会やった時に潜入してみるぐらいの事をしてもいいのですが、ヤイコのアルバムを買った時に探してもあるのは通常版ばかり。それに聞かないCDを面白半分に買うより、本当にAKBに憧れる学生とかが買った方がいいと思いません?なので資料を掘ってみました。すると見えてきたのは恐るべきAKB商法の実態でした・・・(ソースはウィキペだったりニコニコ大百科だったりしますが)

〇その1、同じCDの複数パッケージ仕様
 要はCDの中身は同じでジャケットや小冊子、その他オマケが違う所謂「バージョン違い」ってヤツです。それ自体は他の歌手もやっていますし、すべてのバージョンを買ったらレアな音源が必ずもらえるキャンペーンをする歌手もいました。問題は出すCD出すCD全てに通常盤と初回限定盤が2種類づつと、フルコンするだけでも真綿で首を絞められる仕様。しかも「劇場盤」なるもの(知恵袋で回答していただいた皆様、ありがとうございました)は「買う権利」が抽選で決まるという、自分の力ではどうにもならないという謎な仕様で、最大のウリが特定のメンバーとAKB劇場で握手ができる握手券という、関東以外の人は要らない代物。

〇その2、生写真
 CDに限定の写真が入っているというもの。それ自体は(ry。問題はその曲を歌っているメンバー全員の写真が1人づつ、1枚がランダムで入っているということです。1枚でお目当のメンバーを引けばいいのですが、そうでなければ誰かと交換、さもなくor全員を揃えようと思ったら、転売させたやつを買うかCDを数十枚単位で買わなければいけないという鬼畜仕様です。そういえばAKBの写真が大量に中古屋に売ってたよーな・・・
 その上を行く商法として、特定の日に特定の場所で限定販売されているCDについてくるポスターを全種集めると、特別なイベントに招待されるというものもありました。ポスターは全部で44種。トレカを集めたことがある人なら、どれくらいトチ狂った数字かがお解りいただけるでしょう。ちなみに一気に44枚買っても1枚もカブらない確率は「771468890917894000分の1」。ちなみに年末ジャンボ宝くじの一等が当たる確率は「約10000000分の1」だそうです。ちなみにイベントはあまりのクレームで中止になったそうです。

〇その3、各種券
 所謂握手券、投票券です。それ(ry。「推しメン」の順位を少しでも上げる、握手会で何回も握手できるようになる、そのためにCDを何千枚と買うという行動が報道され話題になりました。本来なら運営はこういった多重購入を止めさせるべきなのに、ポスターの一件からもむしろ煽っているのは確実に問題でしょう。任天堂が10年前にできた事をなぜやらない?

〇その4、高額な写真集
 定価50400¥(税込)、限定2000冊という中途半端に訓練された信者でも買わない1品。高額で限定販売なのは、写真集が発売されてから7年10ヶ月後の2015年12月に行われる「AKB劇場10周年記念イベント」の参加券が特典だからです。イベントは無事に予定通りに行われましたが、もしその前にAKBがポシャってたら?何らかの事情で劇場が使えなかったら?どう責任取るつもりだったのでしょう?

〇その5、高額なDLC
 アルバムに関連する(同じ)DLCを25回落としたら握手会に参加できるという、バンナムも裸足で逃げ出す阿漕仕様。・・・もっとも、これ以上の資料がありませんでしたが。

 いかがでしたでしょうか?慈善事業ではないにしろ、運営のお金の取り方は常軌を逸しています。このような商法を続ける事で、一番肝心の音楽本体の価値まで過小評価されてしまいます。そうなればメンバーや、音楽に関わる人たちにも迷惑でしょう。運営にはもっと広く浅くお金をとっていただきたいと思います。なにより、学生など経済力が低いファンも大切にして、ファンの間の格差をなくしてほしいです。
 最後に、故 岩田前任天堂社長の言葉をもって、今回のブログを〆たいと思います。

任天堂はガチャビジネスをしないのかと株主総会で聞かれて)「そういったビジネスは短期的な収益は見込めるかもしれませんが、ユーザーの皆様との長い信頼関係を
構築することはできないと考えています」「むしろ幅広い層の方々からちょっとずつ払っていただくというモデルで成功されているものが多くなっています。このように、狭い範囲から徹底してお金をいただくというスタイルで(ゲームアプリを)つくっていけば、日本ではひょっとしたら高い収益性を実現できるかもしれませんが、それが世界中で受け入れられるとは思っていません。」