そもそもなぜ新劇場版は作られたのか?
今回はちょっと毛色の違うエヴァ考察です。
TVシリーズのラストはあの「気持ち悪い」が全てを物語る、難解で(表面上)希望のないものでした。あれは当初から決まっていたらしいのですが、一説には庵野監督が(今でも十分変ですが更に)変な思考の持ち主だった時代で、これ以上物語(と監督自身)をおかしな方向にしないように監督の周りの人たちが登場人物をほぼ全滅させるシナリオを作ったらしいです。
実は、パチンコマネーが絡んでいるのです。
TVシリーズ完結から7年後、「CR新世紀エヴァンゲリオン」がパチンコホールに並びました。これに食いついたのが、とりあえずパチンコができるくらいまでは大人になった、放送当時エヴァに夢中になっていた人たちです。それまでの版権モノパチンコとは異なる、凝った演出と良台レベルのゲーム性はパチンコファンでブームに火が付き、さらに「エヴァは知っているけどパチンコは知らない」層にも飛び火、「5万台売れれば大ヒット」と言われるパチンコ台は10万台以上のセールスを記録。それまでの版権モノパチンコの「定義」を塗り替え、多くのフォロアーを今でも生み出しています。これは「パッケージ商法」の成功例とされています。当然版権元のガイナックスにも¥はガッポリ、「天元突破グレンラガンは税金対策の為に作られた」という噂まで出る始末でした。
しかし、版権モノパチンコの宿命、2作目の「セカンドインパクト」ですでに素材は使い果たします。いくら新作が出ても同じ素材を使い続ければ、せっかく増えたパチンコファンにも飽きられるのは火を見るより明らか。パチンコの発売元のフィールズやビスティとしては文字通りドル箱のエヴァパチを途絶えさせるわけにはいきません。
そこで考えられたのが「新シリーズを作ること」。パチンコの題材にすることで入るお金であるパチンコマネーを庵野監督側にチラつかせることで、新シリーズを作る手間をかけてもパチンコにすれば十分なお釣りが出る状態にしたのです。新劇場版を作っている最中に出た「奇跡の価値は」や「使徒再び」はやたら新作のシーン(有名なのは「ヤシマ作戦に臨むアスカ」)が多いのはあくまでつなぎに徹しているからで、「最後のシ者」はTVシリーズと「序」のシーンが混在する何とも珍妙な演出になりました。新劇場版のDVD/BDを持っている方はスタッフロールを見て下さい。「制作協力」の会社の中の上位に株式会社フィールズの名前があります。単に「タイアップしているパチンコを出している」だけではこうはならないでしょう。例えるならドラえもんの映画のスタッフロールの「制作協力」にエポック社の名前があるようなものです。