上杉アイクの机上で空論

独特の感性で森羅万象を考えます

破→Qの空白の14年とは:2 予告から解ること その2

 かといって、情報量は多すぎると「あっちも考え、こっちも考え」になってしまって頭の中で収集が付かなくなるのが、低偏差値なアイクです。ここは欲張らずに英字テロップを区切りとして考えましょう。

セクション1:立入禁止:エヴァ初号機・凍結エリアにつき、ここから先の立ち入りを禁ず
 意外に重要なのですが、TV版では「暴走」と「覚醒」ってあまり区別されていませんでした。ぜルエル戦で初号機が勝手に動いた時に「覚醒と解放」と言ったのは加持リョウジのみで、それ以降ネルフでは「暴走して使徒を食らい、S2機関を手に入れた」とされていて、凍結された理由も「S2機関が搭載されてしまって、下手に動かせない」とされました。それに比べて「Q」では明確に「覚醒」と呼ばれ、覚醒を避けるためにはシンジの殺害も厭わなくなります。したがって「暴走」とは段違いヤバイ現象になっていました。ひょっとしたらビスティあたりの指示で「暴走」と「覚醒」を明確に分けるようになったのかもしれません。ラウンド数は同じなくせに。
 また、刺さっているカシウスの槍のデザインもQと若干違います。カシウス槍という言葉も、おそらくは磔刑にされたキリストにトドメを刺した「ガイウス・カシウス」の槍であり、キリストを刺したことでロンギヌスの槍となり、カシウス自身もキリストの血が目に入って白内障が治ったため、改宗して「聖ロンギヌス」となった故事から、カシウスの槍+アダムやリリスの血→ロンギヌスの槍に変化すると考えられます。「Q」においてレベルEEEでカヲルが「形状が変化している」事に驚いているため、カシウスの槍はリリスリリスでも「骸」になった状態で刺さった可能性が極めて高いと思われます。

セクション2:立入禁止:第3新東京市、ニアサード爆心地につき立ち入りを禁ず
 映像を観る限り、「真っ赤などうしようもない世界」にはなっていません。少なくともリリン(人間)が立ち入れないことはないでしょう。また、Qの一面赤い世界では「L結界」なるモノがリリンの生存を許していません。エヴァの世界でLと付くものはやはりLilithでしょう。つまり、赤はリリスの結界。そうなると新劇場版の大きな謎のひとつである「海が赤い」のもある程度推測が可能です。あれは単にLCLみたいになっているのではなく、L結界によって生物が生息できないから。ヴンダーの電源接続の際リツコが「L結界があるから海中での接続作業は無理」と言ったのも、並みの人間にはそもそも海中作業自体が困難であるということです。また、そもそもわざわざ作業が不可能な位置に重要な部分を設計したという事は、L結界濃度が薄く普通の人間でも作業できる海域がある事も暗示しています。

セクション3:立入禁止:サードインパクト目撃者からの状況報告確認中につき、関係者以外の立ち入りを禁ず
 水面が青いため、かなり議論になっています。僕は初見で「地底湖にでも浮かべているのかな」と思ったのですが、空母を淡水の所まで持って行って幽閉するぐらいなら、第3新東京市の近隣にプレハブ小屋を建てて「戦自一個師団」を周りに取り囲ませる方がよほど現実的でしょう。つまり↑で言及したようなL結界がない海域が、割と近隣に存在すると思われるのです。
 
 ここまでは、「ニアサードインパクト事後処理」といった側面が強いと思われます。

セクション4:立入禁止:リリス保管区、最高機密区間につき立ち入りを禁ず
 ここで問題なのが、メインシャフトを降りた先、レベルEEEで磔になっている巨人が本当にリリスなのか?です。「序」でアッサリ「第2使徒リリス」と名前付きで言及されるため、どこか不自然さが否めません。またMark.6がTV版の「リリスの仮面」を被った月面巨人に装甲を施している点や、磔巨人の仮面の形状が使徒にもみられる点から、磔巨人→アダム、月面巨人→リリスに相当する存在と考えるのが自然です。また、Mark.6が手ぶらであることからこのタイミングで、初号機の槍は刺さったままか、何らかの理由で磔巨人のロンギヌスの槍が必要であった(もしくはその両方)と考えられます。ニアサードインパクトの際、「破」で一度も登場しなかった磔巨人が映ります。その際、仮面の奥の目が赤くなっているので、気付かずロンギヌスの槍を抜いてしまって大騒動になった可能性もかなりあります。

セクション5:立入禁止:エヴァ8号機、建造エリアにつき権限者以外の立ち入りを禁ず
 8号機と思われるエヴァが仰向けで浮いていて、ヴンターの起動時みたいに下にハイロウが一つだけど浮かんでいます。また「Q」とデザインが違うため、「『Q」でマリが乗っている8号機である」と素直に考えない方がいいと思います。フォースインパクトの際、13号機と一緒にMark.9もハイロウを1つ浮かべて上昇したのに対し、8号機は「Q」のいかなる場面でもそういった変化は起きませんでした。予告→Qの間にそういった力を失った、あるいは別のエヴァと考えた方がいいでしょう。ちなみにエヴァのナンバリングに関して、ちょっと別の視点を持っていますので、後々上げたいと思います。
 胎動するエヴァ8号機と「そのパイロット」のため、パイロットがマリと別人か、マリ自身がレイみたく量産できる存在である可能性は大いに高まります。

セクション6:立入禁止:ゼーレの子供たちが集会中につき立ち入りを禁ず
 水も滴るイイカヲルがゲンドウの服を着ている映像。ゲンドウの服を着ているため、ゲンドウが解任→カヲルがネルフ司令に就任という流れは間違いないと思います。濡れているのは、直前までLCLに浸っていたと考えるのが自然です。そうなると、「今度こそ君だけは、幸せにしてみせるよ」の直後の出来事か、レイみたく定期的に水槽に浸かる習慣があるのが垣間見えたのどちらかという事です。
 次のシーンで4人の人影が映っていますが、カヲルと思われる人物も含めて引いた映像になっているので、水も滴るイイカヲルと同タイミングの出来事かどうかはハッキリしません。また影の長さがバラバラで頭の形も若干違うので、綾波シリーズ×4などという安易な話ではなく完全に別々の人間であるととれます。

セクション7:立入禁止:真希波・マリ・イラストリアスと××××(文字の大きさから10文字くらい?)が私的会合中につき立ち入りを禁ず
 ミサト、および加持のカットは幽閉されているタイミングと思われます。誰に「幽閉された」かがハッキリしませんが、加持の表情や「Q」でネルフ職員が軒並みヴィレに移行している事から、何らかの取引によって「ネルフによるインパクトを防ぐ」という約束のもと、「表向きは」拘束を解かれたと思われます。
 ゲンドウと冬月のカットは明らかに「放浪中」です。幽閉した側が国連等インパクトを回避したい「人類」側であろうと、「数が揃わぬ内に初号機をトリガーとした事を黙ってはいない」ゼーレ側であろうと、ニアサードインパクトを起こしてしまった以上ゲンドウと冬月がタダで済むとは思えません。しかしゲンドウ「達」の計画まで「あと少し」である以上、ただ逃げ回っていた訳がありません。「破」の段階でゲンドウとゼーレの意見が違ってもゼーレが優位に会議を運んでいる点、「Q」では「もう目的は果たした」と言わんばかりに、電源を落とされアッサリと殺される点、一度は解任されたネルフ司令に再び任命されている点から、世界を動かすゼーレの「首根っこ」をつかむことが主な目的だったと考えられます。
 レイとマリの会話のシーン、「私的会話なので立ち入り禁止」という点、「Q」の段階で綾波シリーズとマリの所属が違う点から、かなり早いタイミングで行われたと考えられます。「Q」でマリがアヤナミレイ(仮)に「アンタのオリジナルはもっと愛想があった」と呼びかけている事から、「破」の第10使徒戦での短い会話でも予告での憮然とした会話でもアヤナミレイ(仮)より「愛想がある」とマリが判断するとは思えず、オリジナルは「ユイ」を指している可能性が極めて高いと思われます。レイの制服は26話で発生した「まったく別の可能性の世界(通称学園エヴァ)」にて、シンジが通う中学に転校してきたレイと(リナレイ)と一緒。という事は、このリナレイは「破」まで続いた世界とは「まったく別の可能性の世界」の存在ではないでしょうか。そうなると、「Q」に一瞬映ったリナレイ制服もそれを模した物と推測できます。また、2人と一緒に映る「影」。さすがに無関係の第三者がいるとは考えにくいので、特別な人物か通信機のような、「異なる可能性を辿った世界」を仲介するモノではないでしょうか。尚、僕は「『破』以前の世界とそれ以降の予告や『Q』の世界が違う」といった考え方には否定的です。そんな解釈があるなら物語は「何でもアリ」になり、あらゆる解釈が可能になってしまいます。考察材料をバラまくタイプの「シリーズモノ」が「実は世界観が繋がっていません。並行世界のお話です」なら、「まどか☆マギガ」や「ブレイブリーデフォルト」のようにそれを視聴者に分かりやすく伝えるのが、フェアというものです。

セクション8:次回、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(Quickening)
 いかにも意味ありげな「棺」と呪詛柱。そういえば「Q」でシンジが復活した際も同じような箱に入っていました。そのため入っている可能性があるのは・・・ユイです。
 シンジが初号機からサルベージされて運ばれる際、足の裏に「BW-03」「S.ikari??」と書いてあるため、「BW-01」「BW-02」があったという事です。「Q」で冬月は、「ユイは初号機の『制御システム』となった」と語っているため、「初号機に魂が取り残されている」とは名言されていません。また、ゲンドウは初号機をエンジンにしているヴンダーに何の興味も示さず、TV版にあったリツコの「解っているはずよ」「やはり目覚めた」が無いので、ユイの「事故」が表沙汰になっていない=TV版のように「魂が取り残されている」は怪しいと言わざるを得ません。

 ・・・考察長っ!!