ミサトの言動はなぜ変化した?
Qの冒頭、初号機から出されたシンジはAAAヴンダーの指令所のミサトと面会します。しかしミサトの態度は、シンジを「サードインパクトを起こしたヤツ」という目線で見て「もう、何もしないで」と言ったりDSSチョーカーをつけて「エヴァに乗ったら殺す」と間接的に言ったりと結構辛辣です。「破」のラストで「行きなさいシンジ君!誰かの為じゃない!あなた自身の願いの為に!」と叫んでいたことを考えると「いくらなんでもヒドくね?」と思った人は多いでしょう。なぜここまでミサトの言動は違うのでしょうか?
真っ先に考えられるのはそういう態度にならざるを得なかったということです。「Q」の予告で「幽閉されるネルフ職員」というセリフとともに戦艦が映ります。多分ネルフの人たちは戦艦に拘束されているのでしょう。(なおこの映像、海が青いのが気になる人もいるようです。この考察はまた今度)。サードインパクトの責を問われて、ミサトは「これ以上のインパクトは起こさせない」という約束をさせられたと思われます。また、AAAヴンダーには単純にサードインパクトを起こしたシンジを憎んでいる人も多くいるはずです。(「Q」の世界の惨状は予告よりもさらに酷くなっており、初号機の凍結の間にさらに変化があったと思われますが、これも考察はまた今度)。下手にシンジに優しくすると、AAAヴンダーで暴動があってもおかしくはありません。
では本心ではミサトはどう思っているのでしょう?シンジがMark.09に連れていかれる時、ミサトはDSSチョーカーを発動させませんでした。では次のシーンでは?エヴァ13号機が起動したとき、ヴィレは起動を察知しています。それまでにネルフを攻撃すればいいものを。一応先の戦闘でAAAヴンダーが破損して、処置に時間がかかったと考えることができますが、その後のシーンでその考えは「無難すぎる」ことがわかります。ターミナルドグマ?での戦闘中、カヲルが13番目の使徒に堕とされますが、そのときエヴァ8号機に「13使徒が現れた」と表示されます。またカヲルの死後ガフの扉が閉じないのを見てマリが「ワンコ君がゼーレの保険か!?」と叫んでいます。エヴァの制御システムはリアルタイム処理に特化して、それ以外の処理は管制側で行っているので、これらマリの情報はAAAヴンダーのミサトにも伝わっていたはずです。またフォースインパクトを食い止めるためにAAAヴンダーがエヴァ13号機直接攻撃する為に接近します。でも普通、ここまで来るとその前にDSSチョーカーを発動させませんか?DSSチョーカーはボタンを押してから発動まで時間がかかってはいけないものです。このことから考えるにミサトは、DSSチョーカーがシンジについていないことを知っているとしか思えない行動をとっているのです。