上杉アイクの机上で空論

独特の感性で森羅万象を考えます

コレでいーのか!?レトロゲーム! その3 POLYMEGAは救世主?

 「そもそもN64がプレイできない」という大問題を抱えつつ、それでもレトロゲーム愛好家からの需要はある「レトロフリーク」ですが、なんで2万円もするのかっていえば、コンソール毎に接続端子が違うからであって。カセットメディアのゲームに幅広く対応するのであれば、アダプターを大量に用意しないといけないのは自明の理。

 そう考えるとサイバーガジェットは、3Dの処理に関して解決できていないのではないかとも考えられます。例えN64のエミュレーターを用意できたとしても、3Dの処理を行うプロセッサを用意しようとすると、結構なお金がかかるのは容易に想像できるからです。また、レトロフリークにおけるN64のエミュレーションの難しさを考えると、エミュレーターが近年になってようやくできたSSはともかく、PSやそれ以前のCDメディアのゲームに対応するためのCDドライバー型のアダプターがリリースされていないのも納得なのです。

 

 でもやっぱり、世の中にはSS以前の「メガCDやPCエンジンROM2やネオジオCDをプレイしたい」という人も確実にいるし、PS1に関しても、PS3の生産が終了した今、現在は良くてもPS3の数は確実に減っているわけで、VCに似たサービスである「ゲームアーカイブス」や「プロジェクトEGG」でも配信されているゲームには限りがあります。しかもPS・SS世代までは、ディスクメディアのゲームは全てCDーROMなので、ドライバーとプロセッサと、あとネットのそこらへんに転がっているエミュレーターでなくて大体のゲームがキチンと動くエミュレーターを用意できれば・・・と素人考えながら思っていたら、ようつべで面白い事を知りました。

 アメリカのメーカーがディスクメディアのレトロゲームを軸足を置いた互換機、「POLYMEGA」をリリースするというのです。

 動画を全て観たり他にもネットをチェックしましたが、まずプレイできるゲームがすごい。

・PS

・SS

・メガCD

・PCエンジンCDROM2

・SUPERCDROM2

ネオジオCD

という意外と豪華なラインナップ。

更には、「ネオジオCDの高速化」や「E3にてセガの人が『どうやってSSのエミュレーターを実現したのか?』と質問していた」などの逸話も紹介されていました。

 「SSのエミュレーター」に関しては、POLYMEGAの凄さもさることながら、「セガにもエミュレーターが作れないSSって・・・」という感じですが、なら任天堂はどうかと言えば、ぶっちゃけGCの「ゼルダコレクション」での「時オカ」と「ムジュラ」の移植度の低さに悲しくなった思い出があったり、Switchの「3Dマリオコレクション」のマリオ64エミュレーション完璧だったのであんまり突っ込まないとして、ネオジオCDの高速化は、上記6機種の思い出や思い入れがほとんどない僕としても驚きです。

 というのも、任天堂がN64でカセットメディアを、GCが8cmCDを使用した最大の理由が、CDメディアの読み込みの遅さに対する懸念があったから。メガCDやPCエンジン系はともかく、ネオジオに関しては、今でもその遅さが語り草になっています。

 初めはカセットメディアで供給されていたネオジオですが、「アーケードゲームがそのまま家のTVに!」の代償として、本体が58000円、ソフトだけでも30000円と、いう高価なものでした。「ゲーム機戦争」の動画の中で「大人かスネ夫か、お金捨てたい病の人しか買わない」と言われる始末。そこでソフトの価格を抑えるために作られたのがネオジオCDだったのですが・・・何を血迷ったか等速CDトライブを使用したため、ロードが異常なまでに長かったのです。その長さたるや、格ゲーではゲーム起動にロード、ゲームモード選択のためにロード、キャラクター選択にまたロード、ステージ選択にry)と、ゲーム開始までにカップヌードルが食べられる時間がかかったのです。さらには中古のネオジオが市場に出回ったので、新品主義者でもない限り価格問題も解決済・・・と踏んだり蹴ったりなネオジオCDが、常識的なロード時間になってお手軽に遊べるのはファンじゃなくても大注目です。

 さらにPOLYMEGAにはCDドライブのみのベースユニット以外にも、FC、SFC、MD、PCエンジンをプレイ可能なモジュールセットも発売されるとのこと。レトロゲームファン、任天堂ファンにとっても、ありがたいコンソールになることは間違いありません。

 

 ただ、問題は3つ。

 1つ目はそのお値段。モジュール付きでなんと8万円弱!!ネオジオやPS5どころかそこらへんのPCが可愛く感じられます。

 2つ目は将来的なCDメディア以外のディスクメディアへの対応が不透明な点。DVDを使っているPS2は、未だにエミュレーションが不可能だし、GCもDVDベースの独自規格*1、DCに至ってはGDという全くの別モノ。XBOXのHDDVDも考えれは、これらのメディアを全て読み込めるドライバーを作るのは非現実的と言えます。

 3つ目は企業の体力。開発したはいいものの、生産が全く追いついていないらしく、6/27現在、Amazonでも取り扱いがありません。

 僕的にはN64ができない以上8万円も払う価値はないのですが、やはりここでもN64やディスクメディアゲームの互換機の作成の困難さがうかがえるというものです。

 

 個人的には、SSのエミュレーションを実現したPOLYMEGAの技術力の高さや、ディスクメディアの互換機がベースであるという心意気は注目すべきだと思っていますし、注目する人が多い以上、需要がそれ相応にあるという証左でもあります。

 互換機の必要性に関して、大手ゲーム会社はもっと真剣に考えていただきたいと思います。

*1:一応GCやWiiのディスクを読み込める市販のドライバーがあるとのことですが