レイの「魂の場所」とは? その1
皆様は「数独」や「クロスワード」や「ピクロス」といったパズルって好きですか?僕は任天堂ハードのピクロスeやマリオのピクロスのVCはあらかたダウンロードしましたし、その手の雑誌は良く買います。
さて、そういったパズルの高難易度でよく起きるのが、「Aの場所の問題が分からない」→「Aを解くためにはBの場所の問題を解かないといけないのに分からない」→「Bを解くためにはCの場所の問題を解かないといけないのに分からない」→「Cを解くためにはAを・・・」と、「個々の問題だけを考えてもパズル全体を解くことができない」という事態がよく起こります。
エヴァ考察でも同じ事が起きます。それが「Q」での大詰め、メインシャフトにて13号機でロンギヌスとカシウスの槍を抜こうとした時、シンジが「パイロットがアヤナミレイでもよかったのではないか?」という疑問をカヲルにぶつけた時の回答、「魂の場所が違うからね」です。
結構最近まで僕のブログで「魂の位置」とずっと書いていましたが正しくは「場所」でした。意味は同じだから許してね。
さて、「魂の場所」ってどーゆー意味?どう考えてもアヤナミレイの正体、しいてはエヴァンエリオン新劇場版の物語の秘密に直結しそうなこのカヲルのセリフ、どう考えればいいのでしょうか?ヒントとなるシーンを1つ1つ考察していきましょう。
ちなみに「レイの魂の場所」の考察、結構自信があります。
で、今回考察するシーンが、「破」にて、レイが食事会を開く事を決めた際にリツコさんが漏らした「あり得ないわ」です。
まずはシーンの会話をよく見てみましょう
ミサトとリツコが車に乗って、それぞれの招待状を眺める
ミサト「レイ、変わったわね」
リツコ「そうね、あの子が人の為に何かをするなんて考えられなかったわね。何が彼女をそうさせたのかしら?」
ミサト「愛、じゃないかしら?」
リツコ「まさか、あり得ないわ」
単純に2人が和やかに*1話している途中で、まるで水を差すかのように「あり得ない」と断言するのは妙に違和感があるなとは思っていました。
また、「破」においてリツコさんが「あり得ない」と断言するシーンが他にもあります。
1つ目は、隔離されたアスカを前にして、マヤが「まさか、処置ってことないですよね?」と問いかけた際の「貴重なサンプル体よ、あり得ないわ」。
対象が人間、ましてや女の子であるという感情的な点を抜きにすれば、「使徒に浸食されて生きながらえている人間」というのは科学的に見ればまさに「唯一無二の検体」と見ることができ、リツコさんの発言は科学者としてはまさに「処置などあり得ない」となるわけです。
2つ目は、終盤の「綾波を・・・返せ!」の直後、バッテリーが無くなった初号機が動き出した時の「そんな・・・あり得ないわ!」。
そりゃ電源が切れても勝手に動くような軍事兵器なんて想定できるわけがありません。*2
こうしてみるとリツコさんの「あり得ない」という発言は、「作中世界の理屈上考えられない」こと(そして何らかの理由で破られるフラグ)なのです。
ではレイの「愛」はなぜ「あり得ない」のでしょうか?
リツコさんはレイの体調管理をしている描写上、レイの性格や精神活動についてかなり詳しく知っている立場にある人と考えられます。そのリツコさんが、「レイが他人の為に何かをする」ことはあり得るもののその動機として「愛」を完全否定するくらいだから、「レイがシンジに恋愛感情を持つ事はあり得ない」と考えるべきでしょう。
なぜレイはシンジに恋愛感情を持たないのか?
リツコさんの立場上「レイの性格では、レイは恋愛感情というものを持たない」と仮説を立てるのが自然です。しかし忘れてはいけないのが、「パイロットのA10神経とエヴァを接続することでシンクロが可能となる」という設定です。
A10神経は中脳に位置するドーパミンを放出する中枢神経の1つ。あんまり詳しくは書きませんが、ドーパミンは基本的に身体を活発にする働きを持ち、中脳にあるA10神経は特に「学習」、「意思決定」、「喜び」を司ります。
さて、もし「レイは誰かに恋愛感情を持つ事がない」のであれば、当然その中枢神経であるA10神経が働いておらずエヴァとのシンクロが不可能ということ。これは旧世紀版でアスカが「精神汚染でシンクロ不可能」→「母親を感じた喜びで偽りの復活」の流れからも明らかでしょう。
つまりリツコさんの「あり得ない」から、「レイはシンジに恋愛感情を持つ事が無い」という考察に辿り着きます。
さて、この考察の大詰めです。レイは他の誰でもなく、シンジに対して恋愛感情を持つ事はあり得ないのか?人間社会で特定の人間との恋愛関係になるのが絶対禁忌になる条件。それは、
レイはシンジの近親者であり、レイは「誰か」と婚姻関係にある