上杉アイクの机上で空論

独特の感性で森羅万象を考えます

何度でも生まれかわる

 僕はよく「相撲とか柔道やってる?」って聞かれます。
 結論から言えばやった事ありません。柔道は高校の授業で受けたのみ、しかも授業の最終日に「今までに一回も勝てなかった奴出てこい」と言われて僕ともう一人で最後に組んだ時、顔を引っかかれて「反則勝ち」した1回のみ。元々運動神経が鈍いのに格闘に関しては弱っちい以前の問題なんです。

 いま騒動、騒動?になっているのが、「大相撲の土俵に女性が上がるな」問題。
 4日に発生した多々見良三市長が巡業の挨拶中クモ膜下出血で倒れた際の「女性は降りて下さい」から始まって、6日の中川智子の「土俵に上がれなくて悔しい」に、ちびっこ相撲の女児参加禁止。昨年からの暴行事件も相まって、マスゴミは「女性蔑視」の大合唱です。

 で、実際問題なんで土俵に女性は上がっていけないんでしょうか?実はよく解ってないんです。
 「神事」で女人禁制、と言えば月経による「穢」の概念です。「ちびっこ相撲で女の子がダメ」というのも「ケガするといけないから」というとってつけたような理由ではなく、平均初潮年齢が低下している昨今ではいちいち確認するのは・・・って言うのが本当の所だと思っていました。
 神道において「血」というのは「不浄(=ハレとケのケ)」とされ、神域においては月経で定期的に血を流す女性はおろか、ケガや病気で出血している男性もシャットアウト。当然狩猟も禁止されていました。しかし、皇居で祭事を行う際は女性も重要な儀式に参加しますし、女性の宮司も多く、伊勢神宮宮司も女性だった事があるぐらいです。
 またそれとは別に、そこまで言って委員会NPにて、とある女性が「小6の時にちびっこ相撲に出ていました」。え?今回の騒動よりずっと前に、小6の女の子に「生理がありますか?」とか聞く大相撲協会(当然男ばっかり)・・・もし月経が理由だったら、なんという強心臓・・・
 そんなわけで僕が日曜日まで確信していた月経説はナシということで。
 かといって、大相撲協会のHPに何か説明が載っているわけでもなく、貴乃花親方とか、モーニングショーに出ているメガネの関取(名前が出てきません・・・)とかが、「伝統だから」云々「相撲の神様が」かんぬんを繰りかえすのみ。
 そもそも江戸時代において相撲は完全に「見世物」の一つで、言ってみれば現代のプロレスとほぼ同じ位置づけでした。しかも明治まではフツーに男性と同じ形式の女性相撲があり、「ほぼ素っ裸の女性が相撲をとっている姿なんて外国人に見せられるか!」という事になり女人禁制になった・・・というのが比較的正確に解っている唯一の根拠です。
 
 「相撲は神事である」という前提自体、単なるプロレスに神道の習慣をくっつけて「神事っぽくしてみました」が関の山といったところでしょうか。
 すなわち、神道などの宗教的、合理的な根拠が脆弱なのに「伝統」だの「神事」だのを理由に、なんとなく女人禁制になった・・・が本当の所でしょう。

 ただ、僕自身は「土俵の上に女性が乗ってはいけない」というルール自体は問題ないと思っています。
 例えば「正座は徳川家康が自身の権威づけの為に広めただけ」など、歴史の長さと伝統の重さに関係はないですし、大相撲中継を観たときに力士が土俵の上で見せる邪念を取り払った(土俵の外は知らん)真剣なまなざしは、特段相撲に興味が無くても「そこに痺れる憧れるゥ」になること請け合いです。

 問題は、ルールを厳守しろと言いながら「女性が乗らざるを得ない状況」を作りだしたということです。
 土俵の上に人が乗る以上、「その人の体調が急に悪化して倒れる可能性」は決して「考えられない状況」ではありません。しかも相撲をとっているのだから、「男性の医療スタッフが土俵の近くでイベント終了まで待機する」という対策はとられて然るべきです。というかニュースを最初に聞いた時、そんな対策もしてなかったのかっ!て思いました。
 昨今は「イベント主催者が女性」で「土俵の上であいさつしたい」という希望を持つ事態は増えるのは火を見るより明らかです。今回の中川智子は左翼上がりの中途半端フェミだからよかったものの、これが続けば大相撲協会の風当たりは強くなる一方でしょう。ちびっこ相撲は・・・すいません、いろいろと擁護できませんっ!

 「女人禁制」の根拠が薄い上にそれに対する対策を何もしていない。これでは「女性蔑視報道」を繰り返して日本の伝統文化を破壊するのが目的の左翼やマスコミの思うツボです。
 グローバル化が進む中、中途半端な「女人禁制」は逆効果です。大相撲協会は今こそ土俵に女性が上がらなくて済むような、キッチリとしたガイドラインを作るべきです!!