イルカは死にたくないと感じたか？
夕べ深夜に風呂に入っていたら、猫の餌場から結構すごい音が聞こえました。他所の猫が出入りしている事は知っていたので、多分他の猫が餌を食べてるんだろうなとしか考えず、風呂桶から出た時に窓の外の餌場をふと見たら・・・うちの猫と目があいました。別に普段も上品な猫ではなかったので、人間がいない深夜はかなりワイルドになるんだなと思っていたら急に静かになり、昼間にエサを食べるような音しか聞こえなくなりました。多分、猫にも「気まずい」っていう感情があるのでしょう。
人間にあって他の動物に無い脳の領域が「大脳新皮質」です。学校の（それも小中高短大に至るまで全ての学校で）「大脳新皮質は高度な精神活動を行う領域である」と教えられ、短大では「終脳」という別名も教わりました。「終脳」、つまり「最後に進化した脳の最終地点」です（もっとも、解剖学の先生は「人間が進化の最終段階という認識はおごがましい」と言っていましたが）。
では「高度な精神活動」って何だと思います？
言葉だけ聞くと「感情」とか「言語」とか「理論」とかを想像してしまいますが、猫にも「感情」があるのは言わずもがな。なんせ「気まずい」って感情もあるくらいですから。「言語」も他の動物にあります。イルカやチンパンジーといった高度な哺乳類は「会話」をしてることは実験や観察で明らかになっています。「理論」も霊長類の知能実験やカラスの行動観察から、そのような動物が理論を組み立てることができるのが立証されています。手話で人間と会話するチンパンジーなんてのもテレビで見たことがあるので、本気で訓練したら、チンパンジーもテトリスぐらいできるようになるかもしれません。そうなると「高度な精神活動」って知能検査の項目じみた能力ではないということが解ります。だから、「高度な精神活動」っていうのは「心」ではないかと思いました。「心」は「知能検査の項目じみた能力」を全て兼ね備えた上で「○○は××だから□□なので、△△しないといけない。だから自分は☆☆するのだ」という人間の言動に関する一連の流れを司るのです。まさに「高度な精神活動」だと思いません？
５月ＪＡＺＡ（日本水族館動物園協会）にＷＡＺＡ（世界水族館動物園協会）から、「和歌山県太地町のイルカ追い込み漁で捕まったイルカを購入し続ければ、ＷＡＺＡの会員資格を剥奪する」という警告があり、ＪＡＺＡはこれに従うことを表明しました。この裏でグリーンピースやシーシェパードといった反捕鯨団体が暗躍しているのは（暗躍なのに）明らかです。彼らの主張は「頭のいいイルカやクジラを捕まえたり銛で突き刺して殺したり、あまつさえ食べるのはケシカラン！！」というものです。しかも狙ったかのように日本のみを非難し、欧米の捕鯨に関しては「伝統文化だから」といって何も文句を言いません。竹○恒彦のように「イルカちゃんがかわいそうだからウンチャラ」「日本だけカンチャラ」「この手の団体は所詮ヤクザのようなモノ、任天堂はモノホンのヤーさんとは付き合うが環境ヤクザとは・・・最後は僕の主張ですね。
まあ、ネトウヨじみた文句はともかく、イルカ漁については一考するべきではないでしょうか。クジラは大きな「サカナ」ですから、捕鯨で捕ってくれば国民のお腹を満たすことはできるでしょう。ではイルカは？イルカも頭がいいですから、その辺の魚みたいに投網で捕まえるとか釣るとかできません。わざわざ金属で音を鳴らして入り江に誘い込んで捕まえるのです。考えてみると結構な手間ですよね。その辺の魚よりは大きいので地元の人のお腹はふくれますが、現在の畜産の発達を考えれば「そこまでして（それこそ環境ヤクザから嫌がらせを受けてまで）食べるものか？」と一瞬考えます。「伝統だから」という主張も、「時代に合わない伝統は変えるべきだ」と考えればそれまでです。「実はものすごくおいしいから」と言えば納得はできますが、環境ヤクザには通らない論法です。
では本当に「イルカはかわいそう」なんでしょうか？イルカは大脳新皮質を持っていません。たとえ高度な思考を持っていようが、「死」という概念がなければイルカ漁の最中も「痛いな、ヤバいな」としか考えないし、「人間の都合で死ぬほぼ全ての動物はかわいそう」になるはずです。グリーンピースは日本の全ての市町村で大規模な抗議活動を行わなければならないし、もし動物の虐待死させる奴がいたら私人逮捕しまくり。多分公安は黙っていないでしょう。イルカやクジラだけを特別扱いすることは論理的に破綻しまくりな最低の行為なのです！！
人間が生きていく以上、人間の都合で他の動物や植物は死にます。だから人間は他の動物や植物に永遠に感謝し続けるべきなのです。それこそ人間が与えられた「高度な精神活動」ではないでしょうか。
