上杉アイクの机上で空論

独特の感性で森羅万象を考えます

刮目せよ、ボードゲームのパラダイム その1

 「ボードゲームが普及するためにはどうすればいいのか?」

 

 全てのボードゲーム好きにとって、この課題は死ぬまで纏わり続けると思われます。

 

 ある人は、定期的にボードゲーム会(見学自由)を開くようになりました。

 ある人は、ボードゲームが遊べるお店を開きました。

 ある人は、自身の商店の商品棚にボードゲームをたくさん置きました。

 ある人は、メディアやSNSを通じて「ボードゲームは面白いよ」と訴えました。

 

 1年半くらい前からボドゲカフェに通いだしたり、最近では県外を含むボドゲ会やイベントにも顔を出すようになって、それ相応にボドゲ好きの端くれくらいには皆さんに認知していただいていると思ってはいますが、そうなると僕の後からボドゲの世界に飛び込んで来られた、「ご新規さん」がどのくらいがどのくらいいらっしゃるのか?という事も何となくわかるようにはなって来ます。

 それはもう加速度的に増えているのは分かりますし、最近は田舎で見られるそれなりの大きさの商店ではカタンを売っているのを見ます。ボードゲームは確実に広まっているのですが、まだまだ市場規模が大きいとは言えないのが現状です。

 「矢野経済研究所」の「玩具市場に関する調査を実施(2020年)」のページ(玩具市場に関する調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所 (yano.co.jp))の2019年度玩具9品目別市場規模によると、アナログゲーム等の2019年度の市場規模は127億円となっていて、「注目トピック」にてアナログゲームが増えるのは確実視されているので、2021年度はもっと増えていると思われますが、例えば同じ2019年度の任天堂の売上は3523億7000万円(!)であり、比較対象がトチ狂ってはいますが、これだけ見ても、コンシューマゲームスマホゲームといった市場は比較にならないレベルなのが分かります。なにせ、「gamebiz」によるとFGO2019年度の売上が677億円。あんなに楽しいボードゲームが束になっても悪辣ガチャクソゲー1本にすら及ばないのです!!

 

 もっとも、「世界のアソビ大全51」然り、あとオインクゲームズがニンテンドーSwitchにてボードゲームをゲーム化したり、ウイングスパンが同じくSwitchのダウンロードゲームとして登場しているので、ボードゲームコンシューマゲームの垣根も低くはなっているのですが、やっぱりボードゲームは人と人とが面と向かってプレイするからこそ面白い。GBA(ゲームボーイアドバンスに非ず)でカタンをするのも面白いですが、やはり4人でカタン島を囲んで「ODAトイフモノヲゴ存知デシヨウカ(震え声)」と言うから面白い。もっと言えば、みんなで並んでテレビの前に座ってコントローラーを握り罵声を浴びせあうのも楽しい。そういう「ボードゲームだからこその楽しさ」を、もっともっと色んな人に経験してほしい。そう思う人たちにとって、ボードゲームの普及というのは共通の課題であると考えます。

 

 さて、ボードゲーム特有の敷居の高さには色々な要素が絡み合っているとは思います。ルールを覚えるのは大変だし、ボドゲカフェに初めから一人で突撃する人も早々いないでしょう。しかし、その2つに並ぶ障壁として「値段の高さ」もあるでしょう。

 なにせ、市場規模がまだまだ小さいので価格を不用意に下げるのは愚策というもの。人生ゲームやドンジャラのように大量生産も難しいので、人生ゲームの豪華コンポーネントと、片手に収まる小箱のボードゲームが同じ値段なんてのもよくある話。そんな「値段」という障壁に対する一つの解答とは。

 

 ある人は、100円で買えるボードゲームを作りました。

 

 さて出ました。

 2020年辺りからダイソーの店頭に並び始めたのが100円ボドゲシリーズ。ダイソー独自と思われるゲームから、スシローやピザーラクアアイナといった企業とのタイアップゲーム、さらには既存のボードゲームを100円でリメイクして販売するといった、100均だからこその商品展開をしています。

ちなみにインタビュー記事もあったのでどうぞ都内では売り切れも続出、愛好家もうなる「ダイソー」の“100均ボードゲーム”誕生秘話 | DIAMOND SIGNAL

 僕がこれまで持っている100円ボドゲは、

 Ostie(オストル):アブクトラクト、同名のゲームのリメイク。

 クローバーブーケ:トリックテイキング、原作は「白詰草の庭」。

 トウキョウのハトエサバ・バトル:アブクトラクト、原作は「TOKYO DOVES」。

 怪盗ルパニャンの予告状:セットコレクション、ダイソー独自のゲーム?

 

 と、僕好みのゲームだけでも4種あったのですが、我らがダイソー、2022年早々、やってくれたのです。

 

続く。