上杉アイクの机上で空論

独特の感性で森羅万象を考えます

マリソニもよろしく

 「SNSで話題沸騰」だったハズの100日後に亡くなったワニが、命日当日に電通によるステルスマーケティングが発覚してしまい、そのSNSで大炎上。「101目にワニが荼毘に臥される」という、なんとも言えないオチが付いた今週、2020年東京オリンピックが1年を目途に延期されることになりました。

 

 実はこのブログは全く別の記事について書くつもりだったのですが、今回書く内容があまりに長くなってしまったので、「予備知識」として別記事としました。

 それは、「オリンピックを1年延期」の是非です。はっきり言って、今回の決定に関する売国マスゴミの論調がとても酷く、「安倍総理が、任期中にオリンピックを開催したいからだ」とか平気で言うのです。アホか。

 ということで、僕的に1年延期はアリかナシかを考えて行きたいと思います。

 

 まず大前提として、今回の武漢ウイルスの世界的蔓延により、オリンピック開催における「本来期待される利益」というものはほぼ絶望的になりました。その上で2020年の東京オリンピックをどうするのがベストか?を考えるためには、「トレード・オフ」と「損切り」を考えないといけません。即ち、利益と損失を天秤にかけて、できるだけ利益を大きくできる選択が必要なのです。

 その「選択」とは大きく分けて4つ。

〇中止:論外

 

〇予定通り決行:4つの中で、考えられる経済的損失は一見少ないでしょう。しかし、一部の国から「予定通りに決行するなら選手を送らない」と言われたり、何の制限もなく開催すれば、間違いなく日本は「世界一の感染大国」になるでしょう。だからと言って武漢ウイルスの影響を最小限にする事を考えると、各国の選手はほぼ締め出し・無観客。一部の愛国論客の方の中には「日の丸が表彰台を独占w」とか冗談(だと思う)を言っていますが、そんなのモスクワオリンピック以下の盛り上がりで日本の評価はダダ下がり、準備不足の宇宙船を無理やり飛ばしてもロクな成果が上げられないように、利益も「最大」とはならず、「中止」だの「2年延長」だのよりかはマシなものの「最適解」とはいい難いです。

 

〇1年延期:初めの経済的損失は計り知れませんし、所謂「放映権料」問題もこれから大モメになることは必至です。しかし、「万全の状態でオリンピックを開催できる」というメリットは非常に大きい。「政治知新」様でも言及されていますが、「まるまる1年」とならずに「1年を目途」なので、ウイルスの流行具合にもよりますが「今年の秋口」とか「来年の春先」とかの酷暑を避けることも可能。「リスクをなるべく回避し、利益を最大限に出す」という観点では最適解と言えるでしょう。

 

〇2年延期:「1年延期」からデメリットを足して利益を削るような選択です。「2020年東京オリンピック」が固有名詞として使われる以上、冬季オリンピックが開催される2022年の後に2020年のオリンピックを行っても、日本の評価は余計下がります。また、アスリートの皆様が「オリンピックや世界大会のような大きな大会でベストなパフォーマンスが出せるようにトレーニングする」のはよく知られていますが、2年も開いてしまえばそれも難しく、オリンピック選手の皆様のモチベーション、そしてそれに直結する「オリンピックの盛り上がり→利益」にもやはり問題が生じるでしょう。2年延ばせば放映権料問題は更に拗れます。何より、「1年経ってもオリンピックが行えない」ほど武漢ウイルスの被害が深刻だった場合、これはもうオリンピック云々以前の、「復活の日」状態になっているという事です。「リスクをなるべく回避し、利益を最大限に出す」という観点では最適解にはなり得ないです。

 

 と、このように選択肢は一見たくさんあるように見えて、その実「一番マシ」なのは「1年延期」、日本維新の会に投票するレベルで譲っても精々「決行」が関の山。あとの2つは論外なのです。

 この「選択」が誰の物かはわかりません。安倍総理が言い出したかもしれないし、森会長かもしれない。小池知事かもしれないし、バッハ会長かもしれない。表沙汰にできないような意見や選択が出たかもしれない。

 でも、このような選択の場で「表沙汰にできないような会話」なんで、むしろ無い方がおかしいです。また、選択の場で「1年延期」以外の選択を唱えて譲らない人が沢山いたかもしれないですが、それでも、「選択の場」において「1年延期」という「1番マシ」な選択肢が選択されてそれを全員が合意した、というのは紛れもない事実なのです。そしてその事実に関しては素直に評価するべきなのです。

 

 しかしまあ、どうして「安倍総理が、任期中にオリンピックを開催したいからだ」などと平気で言えるのでしょうか?彼らの言う事が本当だとするならば、「安倍総理は権力維持に固執するあまりオリンピックを1年延長させた」ことになります。

 でも権力に固執したい人間が、わざわざ「1年延長」を選ぶでしょうか?冒頭でも言及した通り、武漢ウイルスが蔓延した時点で、「本来期待されるオリンピックでの利益」は望めません。「権力を維持」するのに「2020年東京オリンピック」など余りにも大きな博打であり、「彼らの安倍総理像」ならば「呪われたオリンピック*1*2なんてぼくちんの任期中にはや~らない。2年後の総理大臣お願いね~」と言ってこそ然るべきなのです。

 「オリンピックの開催時期」と「安倍総理の思惑」など完全に切り離されたものであり、「2020年東京オリンピックを開催するとはどういう事か」を忘れてはいけないのです。

 というか、本当に安倍総理を過大評価してるのは、他ならぬ「彼ら」ことぱよちん共なのではないでしょうか?

 

 ・・・つーか、消費税が10%に上がったのは、オリンピックによる経済効果を見越したうえで、財務省に「増税すれば改憲に協力しますよ」って言われたからですよね。こうなった以上、財務省の言い訳など噓っ八になったのですから、失策を取り戻すためにも消費税減税する大チャンスですよ。

*1:1940年の東京オリンピックはシナ事変により中止、1980年のモスクワオリンピックではソ連アフガニスタン侵攻により西側諸国のボイコットが起き、オリンピック関係者の中で「オリンピックは40年毎に呪われる」というジンクスがよく言われるそうです

*2:麻生副総理はオリンピックに出場経験のある「オリンピック関係者」として有名で、そもそも野党議員の「私見を教えて下さい」という質問に対する答えでもあります。オマケに「マスコミはこういう発言好きでしょ」という煽りまでプラスする徹底ぶり。マスゴミのゴミさ加減、ここに極まれり。